今後の自院のビジョン実現に向けてどのように戦うか、そのための方向性を考えるのに便利な考え方があります。

クリニック経営の戦略を考えるときは、「経営資源」と「経営環境」に分けて考えます。
「経営資源」とは、クリニック内部に関することで自院でコントロールが可能です。
「経営環境」とは、クリニック外部に関することで自院でコントロールはできません。

「経営資源」は、ヒト・モノ・カネ・ノウハウをさします。
クリニックでいえば、スタッフ、医療サービス、薬剤、診療報酬、ノウハウ、医師の技術、立地などです。
自院でコントロールできるからこそ、自院の経営資源は何かを考えて、最大限活用することが大切です。

経営資源:強み

なかでも、一番大切なのは、「強み」です。
自院の特長、患者さんに選ばれている理由、競合他院と比べて優れているところを抽出し、なぜその強みが実現できているのかの深掘りをしましょう。
理由や根拠を明確にすることで、より強みを活かすことができます。
なんとなくここが自院の強みかなと考えているのを、文字に書くなどして、形にしてみることです。

同一診療圏内には自院だけでなく、競合他院もひしめいていますので、他院との競争で自院が優位にたてるのはどこかを考えます。

経営資源:弱み

経営資源には、強みだけでなく弱みもあります。

弱みを考えるとは、自院にないもの・できていないことをただ挙げるだけではありません。
ポイントは、今後、院長のなりたいビジョンを実現するために

  • それを阻害しているものは何か
  • 強みをより強化するために改善できることはないか
  • クリニックが今後生き残っていくためにどんな問題があるのか

を、一緒に考えることです。

逆に言えば、これができなければ弱みは考える必要はありません。
弱みは挙げだしたらきりがないですし、「出来ていない部分をできるようにしよう」と言うのは簡単ですが、解決にはなりません。

経営環境:機会・脅威

「経営環境」は、自院でコントロールはできません。
しかし、院外でどんなことが起こっているのかを知る必要はあります。

経営環境といっても、クリニックに直接的に関係すること(競合他院や市場動向の問題)と、間接的に関係すること(医療法改正、診療報酬改定、今なら新型コロナウイルス感染症、サル痘や少子高齢化問題)にわけられます。

経営環境の「機会」、自院が強みを活かして打って出られるチャンスとなっているものがあるはずです。それは法改正で合ったり、患者さんのニーズであったりですが、好機に自院の強みをどう活かしていくかの方向性を考えるのがクリニック経営の戦略になります。

また、経営環境のもう一つに「脅威」がありますが、新型コロナが発生し始めた2020年や2021年は、患者さんの受診控えでどのクリニックも来院数が大きく減少しました。これが脅威です。

経営戦略を考える上で、脅威も考えてもいいですが、実際のところ、コントロールもできないためどうしようもないのが現実です。経営戦略を考えるなら、どうにもできない脅威を考えるよりも、強みをどう機会に活かしていくかを考えた方がいいでしょう。

自院の経営戦略を考える際に一度、この視点で分析されてみてはいかがでしょうか。


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