医療機関はチームで仕事を行います。

例えば、クリニック内に耳鼻咽喉科と歯科があったとします。そこには、看護師、看護助手、歯科衛生士、歯科助手、受付、事務といった職種があります。
診療科が1つのクリニック、例えば整形外科であれば、診療とリハ、事務部門で考えてみましょう。
様々な職種のスタッフが、一緒に働いています。

このようなことを前提に、院長がスタッフの生産性を上げたいと考えた場合、どうすればいいのでしょうか。

「スタッフが団結し合えば、クリニックとして生産性があがるのでは?」

と考えがちですが、実はそんなに単純な話ではありません。

人が集まり、団結しようとする力には様々な効果があります。

団結の力のプラスの効果

プラスの方向では、以下の効果があります。

  • 仲間意識が芽生えるので助け合う
  • スタッフ間に連帯感が高まる
  • クリニックへの帰属意識が高まる
  • 離職率が下がる

など

ただ、グループの力を強める効果には、メリットばかりではありません。
デメリットもあるのです。

団結の力のマイナスの効果

マイナスの方向では、以下のような効果が働きます。

  • 同調圧力
  • ハラスメント

同調圧力。日本人は特に多いですね。
自分では正しいと思っていても、自分の帰属する集団の意見と合わないと自分を犠牲にして周りに合わせる。

また、女性同士の職場であれば、スタッフ間で派閥ができやすい。
気に入った人だけで仲良くして、グループの意に沿わない相手をハバにする。派閥の長の役割をしているお局様の意に沿わないと、そのスタッフに対し、院長の知らないところでハラスメントが起きているかもしれません。

団結する力には、このように、プラスの効果もマイナスの効果もあります。そのため、院長はマイナスの効果も理解した上でチーム力を高めて生産性を上げなければなりません。

団結のプラスの効果を引き出す方法

ではどうすればいいでしょうか。
団結のプラスの効果を引き出すのに大切なのは、スタッフ間の団結度合いを高めつつ、グループの目標とクリニック全体での目標を一致させることです。

院長から見て、スタッフ同士が仲が良く見えたり、スタッフ間の団結度合いが高かったとしても、グループの目標とクリニック全体での目標の一致度が低ければ、実は生産性は低下します

スタッフは、他部門や自分の所属する部署と異なる部署に無関心になっていませんか。
スタッフ間のつながりが強いのに医業収益が今一つであるなら、これが理由かもしれません。

クリニックとしてスタッフの生産性の高まりを図にしてみました。

せっかくチームとして、まとまりがよくても、部門ごとの目標、クリニック全体としての目標が明確でなければ生産性は高まりません。

クリニックとしてどこを目指すのか?スタッフの目標を一致させる方法

ではどうすれば集団目標と組織目標を一致させることができるでしょうか。私がお勧めしているのは、「目標自体を目に見る形にする」という方法です。

クリニックの目標、院長自身の頭の中にはなんとなくあるものの、スタッフに形にして示していない。そのため、スタッフにはなんとなくしか伝わっていない、なんてことはありませんか?

クリニックとしてどこを目指すのか、部門ごとにどこを目指すのか、そのために個人ごとにどうなって欲しいのか。このようなことを評価シートに落とし込めば、クリニックの今後の方向性が定まり、一体感も醸成されます。

あなたのクリニックでは目標を形にして、スタッフに示していますか?

「ウチのクリニックはスタッフ同士が仲がいい、連帯感は高いものの、医業収益が今一つ伸び悩んでいる」ということに心当たりがありましたら、目標を具現化してみるのを検討されてみてはいかがでしょうか。


このようなことにご興味がある方のため、無料相談を実施しておりますので、ぜひご利用ください。

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